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別居期間中に妻が養育していた子供が夫によって連れ去られました。どのような手続きをすればよいですか?

方法としてまず考えられるのは、夫を相手方として子供の引き渡しの調停か審判を求めることです。

しかし調停や審判は結論が出るまでに相当の時間がかかるので、あわせて審判前の保全処分の申請をすることになります。

保全処分とは調停や審判で最終的な解決が出る前に暫定的に子供を仮に引き渡してもらうと言うことです。

これを認めてもらうためには妻方の言い分が正しいと言うことをある程度証明する証拠を出す必要があります。

次に考えられるのは人身保護請求という手続きです。

これは上記の手続きと違って刑事罰などを伴う強い効力がありますので上記手続きよりも認められる要件が厳しくなっています。

これが認められるケースとしては①夫が調停や審判又は当事者の合意に反して子供を連れ去った場合や②夫が子供を虐待するなど親権を濫用している場合などです。

また特異なケースですが、未婚の母から未認知の子の父及びその妻に対する人身保護請求が出された例があります。

したがって今回の件も事案によって保全処分か人身保護請求の申し立てをすることになります。

いわゆるセックスレスは離婚原因となるでしょうか?

この点、京都地裁昭和62年5月12日判決は、婚姻が、男女の精神的、肉体的結合であり、そこにおける性関係の重要性に鑑みれば、病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意あるような特段の事情がないかぎり、婚姻後長年にわたり性交渉がないことは、原則として婚姻を継続し難い重大な事由に当たるというべきだとしています。

判例も、性的不能は、原則として婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると判断しています。(最判昭和37年2月6日)

夫が、行き先も告げず、今後の生活方針について相談することもなく、家を出ていき戻ってこない場合、妻はそのような夫と離婚できるでしょうか?

そのような場合、夫の行為は悪意の遺棄にあたると思われるため、法律上定められた離婚原因になり、妻の離婚請求は認められると思います。

同様の事案で、裁判所は、妻を悪意で遺棄したものと判示して離婚を認めています(浦和地裁昭和60.11.29)

DVと離婚

DVとは

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、夫婦間での暴力をいいます。肉体的な暴力をはじめ、精神的苦痛を与える場合や、性的関係を強要する場合、金銭的制限を必要以上に加える場合も含みます。

Q DV被害に遭ったらどうすればいいの?
A DV被害には様々な態様があります。

ケース1 「夫から暴力を振るわれて、怪我をした。」

この場合、あなたの身の安全の確保をしましょう。

子どもがいる場合には、子どもの身を守ることも必要です。
警察に相談したり、近くの行政機関や配偶者暴力相談支援センター等に相談しましょう。
シェルターや一時的に保護してくれる場所を探してくれます。

次に、夫があなたの居場所や子どもたちの居場所を突き止め、再び暴力を振るったりしないよう、保護命令の申立てをしましょう。

保護命令にはいくつか種類があり、状況に応じて、DV被害者への接近禁止命令、電話等の禁止命令、被害者の子どもや親族への接近禁止命令、DV被害者が居住していた住居からの退去命令などがあります。

また、保護命令の申立てや慰謝料の請求のために、DV被害に遭ったことを示す証拠を確保しておきましょう。病院で受傷の診察を受けて、診断書をもらいましょう。

DV被害を理由に夫と離婚することを決意した場合

DV被害を理由に夫と離婚することを決意した場合、離婚について夫と話し合う必要があります。

けれど、相手が暴力を振るう可能性があるため、冷静な話し合いは見込めない場合が多いでしょう。
あなた自身も被害者であり、自身の思いを夫にきちんと話すことがなかなか難しいと思います。

そこで、冷静に話を進められる第三者を介入させたうえで、夫に離婚の申入れをしましょう。
第三者は、あなたの身近な親族や友人などでもいいでしょう。

夫が冷静にあなたと話し合う気がなければ、弁護士があなたの代理人となって、あなたの代わりに夫と離婚に向けた話し合いを進めることもできます。

話し合いでの解決ができなければ

もし、話し合いでの解決ができなければ、家庭裁判所に離婚調停を申立てます。
調停が不成立になれば、離婚訴訟を裁判所へ起こします。

夫との交渉の中で、夫に貴女の現在の居場所を知られないよう、最善の注意をします。
裁判所へ調停の申立てをする際には、住所を秘匿とする手続をとることができます。

また、裁判所で夫と鉢合わせしないように、調停の時間をずらすように裁判所にお願いをしたり、裁判の尋問においては、ついたてを置いてあなたから夫の姿が見えないように配慮してもらうようお願いをすることはできます。

あなたが夫から暴力を振るわれ、大変つらい思いをしたことについては、慰謝料を請求できます。
暴力の態様や程度によって慰謝料の相当額は様々ですので、より高い慰謝料を求めるためには事細かに夫から受けた暴力の内容を記録したり、怪我の部位を写真に撮っておくことが必要です。

ケース2 「夫が生活費をくれない。」

あなたが専業主婦で、家事を一生懸命に行っているにもかかわらず、夫が生活費をあなたに与えない場合、これはあなたに対する経済的DVといえます。

この場合、あなたは、夫に対して、生活費を求めることができます。
ただし、別居していない場合には、通常の婚姻費用の相当額を定める算定表を参考とすることができません。
同居していると、住居費は夫が負担しているといえるため、その部分を引いた額を参考に婚姻費用が決められることになるでしょう。

なかなか前へ進めない・・

DV被害に遭っているにもかかわらず、なかなか別居や離婚の決意が固まらない方もいらっしゃるでしょう。

「離婚した方が良いとは思うけれど、経済状況や子どものことを考えるとなかなか踏み切れない。」など悩まれている方もいらっしゃるでしょう。

ただし、暴力を振るわれればあなた自身も傷つきますし、身の回りのあなたの大切な人も傷つきます。決して無理はしないで、まずは、第三者に相談しましょう。そこであなたが不安に思っていることを正直に打ち明けてみてください。少しでも気持ちが楽になれば、前向きな気持ちになれると思います。

離婚後、元夫が子どもへの面会交流を求めてくるのですが断れませんか?

元夫のあなたへの暴力が原因で離婚に至ったとしても、元夫がお子さんへ暴力を振るう可能性があるとはいえない限り、元夫と子ども達との面会交流を妨げることはできません。

あなたは「元夫が突然逆上して子どもに暴力を振るうかもしれない」と不安に思うかもしれませんが、試行的に面会交流を行ってみるなど、元夫と子ども達との面会交流の様子を見守りながら、元夫が子ども達を傷つけることはしないことを確認していきましょう。

モラハラ離婚

Q モラハラスメントと離婚について教えて下さい。
A モラルハラスメント(モラハラ)とは、簡単にいうと、精神的な嫌がらせのことをいいます。

モラハラの加害者は、最初のうちは言葉以外の態度や行動で被害者の言動をそれとなく非難し、徐々に自分の思い通りに支配していきます。

そこで被害者が自分を取り戻そうと抵抗すると、いよいよ精神的な暴力をふるいはじめます。

この暴力は、中傷・無視・冷たいまなざし・罵倒などの精神的暴力であり、被害者に責任を押し付けるような巧妙なやり方で行われます。

例えば、「おまえが悪い」「何故できないんだ」などと怒鳴る、あざ笑う、無視する、ため息をつくなどの行為を繰り返し行うことによって、被害者を追い詰めていくのです。

私たち弁護士も、夫から妻にこのような嫌がらせが行われるケースにはたびたび出会い、離婚原因、すなわち「ことばのDV」として理解してきましたが、モラハラの被害は実はもっと広く、恋人間、親子間、職場でも起こることが分かってきました。

Q モラハラは、どのような特徴があるのですか。
A まずモラハラは、マインドコントロールと似た性質があるために、被害者が自分が被害者であることに気づいていないケースが多いと言えます。

モラハラの被害者は、几帳面で、他者への配慮を働かせ、責任感が強い人が多いと言われており、加害者から日常的に嫌がらせを繰り返し受けることにより、「自分が悪い」「自分さえ我慢すればいい」などと思い込まされていることも多いようです。

このような場合、まず第三者が話しを聞いてあげて、まず自分がモラハラの被害者であることを気づかせることが必要になります。

Q モラハラは、裁判で立証することが難しいと書いてありましたが、どういうことでしょうか。
A 例えば、DVの場合は診断書や写真で被害を比較的容易に立証できるのに対し、モラハラの場合はそのような形で立証することは困難です。

録音テープなどがあれば勿論いいですが、そのような証拠がない場合も、何月何日に、どのようなことを言われた、あるいはされた、そのときどんな気持ちだったか等を詳しくメモしていただければ、立証することができることもあります。

とにかく諦めずに、弁護士に相談してみるといいということですね。

離婚したいのですが、夫が離婚に応じてくれません。どうしたら離婚できますか?

Q 離婚したいのですが、夫が離婚に応じてくれません。どうしたら離婚できますか?
A 協議離婚ができない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
Q 調停で話し合いをしても夫が離婚に応じない場合は、どうなるのですか?
A その場合は、離婚訴訟を提起せざるを得ません。
離婚訴訟の場合は、配偶者に不貞行為があったとき、生死が3年以上明らかでないときなど、法律が定める離婚原因(民法770条1項)がなければなりません。
実際よく問題になる事案としては、不貞行為(浮気)、家庭内暴力(DV)、度を超したギャンブル・借金、モラルハラスメントなどがあります。
いずれにしても、離婚原因があるかないかは、最終的には裁判所が判断することになります。
Q 離婚に際しては、他にどのようなことが問題となるのですか?
A まず未成年の子どもさんがいる場合は、親権が問題となるケースが多いですね。
離婚自体には合意ができていても、子どもさんの親権を取り合って紛争になることがあります。
話し合いで解決がつかない場合は、最終的には裁判所が裁判で決定します。
場合によっては、どちらかの当事者が子どもを連れ去っていて、子どもの引き渡しを求めて仮処分などの手続きを取らなければならないこともあります。
Q 親権以外には、どのようなことが問題となりますか?
A 財産分与、慰謝料が問題となりますね。
財産分与とは結婚期間中に夫婦の協力で築いた財産を清算してそれぞれに分けることです。
慰謝料請求とは、離婚の原因を作った当事者に対し、その配偶者が精神的苦痛に対する損害賠償を求めるものです。
また最近は、財産分与とは別に、年金分割が問題となることも多いですね。
Q 離婚調停、離婚訴訟を依頼する場合、どの位の弁護士費用がかかるものなのでしょうか?
A うちの事務所では、離婚調停の場合、着手金として30万円、離婚が成立した場合の報酬金として30万円いただくことになっています。
離婚訴訟の場合は、着手金が40万円、報酬は30万円となっています。
ただいずれの場合も、財産的給付がある場合は、報酬としてその10%を加算していただくことになります。
Q 私は専業主婦で、一度に数十万円を支払うことは難しいのですが・・。
A その場合には、収入が一定額以下であるという制限がありますが、法テラスを利用することも可能です。
この場合は法テラスがいったん弁護士費用を立て替えてくれます。
ご依頼者が負担する標準金額は、着手金が22万0500円、報酬金が8万4000円とされています。
ご依頼者は、月5000円から1万円の金額を法テラスに償還していただくことになります。また経済的に大変困窮されていると認められる場合は、償還を免除されることもあります。
いずれにしても、弁護士に相談して、早期にアドバイスを受けた方がいいと思います。

学歴詐称が原因で離婚できるか?

裁判上の離婚原因としては、①不貞行為②悪意の遺棄③3年以上の生死不明④強度の精神病で回復の見込なし⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由、と定められています(民法770条1項)。

学歴詐称の場合、⑤の婚姻を継続しがたい重大な事由に該当するか否かが問題となります。

性格や相性、容姿を重視して結婚するのであって、学歴で結婚するわけではないから⑤には該当せず、離婚原因にはならないと考えることができるかと思いますが、一方で、学歴を結婚の条件とすることもあるようですので、学歴詐称では離婚原因にならないと言い切ることも難しいと思います。

私見としては、通常夫婦が円満に生活するうえで学歴が重要だとは考えにくいので、学歴詐称だけでの離婚は難しいのではないかと考えますが、詐称の程度によっては離婚原因になる可能性も否定はできません。また学歴詐称から派生して収入等にも詐称があったような場合には、離婚原因となる可能性は高くなってくると考えます。

離婚後にDV夫から子の面会交流の申立がされたらどうなりでしょうか?

DV夫と離婚し、離婚後にDV夫から子の面会交流の申立がされたらどうなりでしょうか?

まず、一般論として、最近の家庭裁判所の傾向としては、面会交流は原則的に実施する方向での考え方が主流です。

しかし、子の面会交流の原則的実施論については、最近反対意見が少なくありません。面会交流を実施することで子の虐待が明らかになったり、精神医学者が深刻な悪影響がある等の意見を述べたりしています。

法律専門誌でも原則的な実施に対する危険性や問題点を指摘する論文が増えています。

DV夫からの子の面会交流の申立についても裁判所が個別事情を考慮して却下する事例もあります(最近では仙台家裁平成27年8月7日審判)。

詳しくはこちらの記事「面会交流」

いったん決めた養育費の金額は代えられるの?

離婚に際しては、親権者の指定、養育費の金額、面会交流について協議して決めないといけないとされています。

養育費は子どもの年齢にもよりますが、長期間の給付になりますので、養育費を支払う親が将来どのような事態になるかは予想できません。

離婚に際しては、離婚時の夫婦の収入により養育費の金額が決められます。

しかし、離婚後養育費を支払う親がリストラに会い決めた金額を支払えなくなったり、養育費を受け取る側の親が再婚したりして別に子どもを扶養してくれる人ができたりすることもあります。

そういう時は、養育費の減額を求めることになります。減額につき協議できなければ調停の申立をすることになります。

減額が決まるまでは、従来の金額の養育費を支払う義務があります。

反対に養育費を支払う親の収入が増えたりした場合は、養育費の増額を請求できる場合もあります。

いったん養育費を決めても、その後の事情の変更により、増減が可能です。

詳しくは「養育費」

いったん親権者を決めた後、変更することはできるでしょうか?

親権者を変更することはできますが、父母2人の話し合いだけで変更することは認められていません。

父母が親権者の変更に同意していても、家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません。

家庭裁判所は、子の福祉を考慮し、親権の変更が妥当でないと判断した場合は調停の成立を認めません。

父母の間で親権者変更の合意がない場合でも、親権者でない親の方から、親権変更の調停あるいは審判の申立をすることができます。

家庭裁判所は、子の福祉の観点から、親権の変更をする必要があるかどうかを判断します。

そして親権変更の場合、それまで子が親権者のもとで生活をしているという現状がありますので、そのような状況を変更してでも親権者を変更した方が子の福祉に適するといった特別な事情がない限り、親権変更の審判をすることはありません。

具体的には、親権者が子どもを虐待しているとか、親権者にネグレクトの事実が認められるとか、子どもの居住環境が劣悪であるなどの事情がなければ、親権変更が認められることは困難といえます。